有は、小さく痙攣を繰り返す姫乃を優しく抱きしめていた。

 やがて姫乃は荒い息の下から、とろんとした眼で有を見上げた。


「これでも、忘れられる?」


 姫乃は弱々しく、首を横に振る。


「…挿れていい?」


 耳元で優しく囁く。


 無理矢理こじ開けるのだけはもう止めようと、有は思っていた。



「……うん…」 


 姫乃は恍惚としたまま、僅かにこくんと頷いた。





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