頬を染めてぐったりする姫乃を、有は畳の上に横たえた。


 ――姫乃のこんな姿を、他の誰にも見せたくない――。 

 うっすらと眼を開けた姫乃に有は覆い被さり、またキスをした。


「んっ―…はあっ」


 口唇に、頬に、耳に、首筋に――有はキスの雨を降らす。


「やっ…あんっ」

「…これでも忘れられる?」


 有はキスを続けながら、姫乃のブラウスのボタンを外し、下着をずらして桃色の突起を摘んだ。


「んんっ!」


 姫乃の身体は敏感に反応する。

 見掛けによらず大きな胸は、有の掌に強く優しく揉みしだかれ、形を変える。

 柔らかな胸に彼は顔を埋め、突起を舌で転がしたり吸い上げたりと弄ぶ。


「ああっ…んっ やっんっ」


 姫乃は下半身が熱くなるのを感じていた。

 執拗に胸を攻められ、乱れる姫乃。

 既に、彼女を護るのは秘部を覆う儚い布一枚だった。

 有の指は無情にもその布のなかに伸びる。

 そっと秘裂をなぞる。


「凄く、濡れてる…」


 姫乃で濡れた指先を、彼女に翳す有。

 その貌は、以前の悪魔のように暗く冷たいものではなく、何処か優しさを秘めた悪戯な表情だった。





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