「先代は、俺をどうした?」

「いえっ、昔の話です
 遠い・・・過去の話」

初馬の顔色が青褪めていくのを
庵は、見つめていた。
 
以前、彼が発した言葉

『イオリは
 絶対に極道にはさせない
 ショウジには渡さない
 それが、お前の親父さんの
 口癖だった』

ショウジには、渡さない・・・

庵の胸に引っ掛かり

心を掻き乱す。

困った顔をした要は、庵に話す

「親父、この件は組に帰って
 幹部と話し合わなければ
 独断で結論は出せません」

「分かっている
 すまないがそういう事だ
 今ここでは返事はできない」

そう、話す庵に銃口を向ける
透馬。

「やめろ、トウマ」

「親父、復縁など無理に
 決まっている 
 高月組は会澤組と遅かれ
 早かれ、必ず契りを交わす
 そう、会澤組の連中から
 俺は聞いた」