「そんな
 馬鹿息子でも俺にとっては
 この命よりも大切なんです
 どうか、お願いします」

初馬は深く頭を下げ、その姿に
伊納組の組員達は驚く

「皆に言う
 今日のところはこれで終結だ
 大切な客人に、手を出す事は
 この俺が許さない
 分かったな」

庵は、彼の頭上に当てた銃を
下ろして、その場に捨てた。

銃は、透馬の足元に転がる。

「ここでは、話はできない
 この近くの料亭へ
 行きましょう
   
 トウマ、おまえも一緒に
 来るんだ」

「親父?」

「俺の命令だ」

庵は、要と顔を見合わせて
首を傾げた。
 
そして、連れて行かれた料亭で
話される内容に庵は驚く。

「親父、本気なのか?
 高月組と復縁したいだなんて
 馬鹿げている」