「動くな、動くと
 あんた等の大事な
 親分が死ぬよ」

何かのスイッチが入った
かのように形相し

凶暴性を帯びる庵の姿に

周囲は、一歩も動く事が
できない。

何を仕出かすか、分からない

「馬鹿な事は、寄せ
 
 俺を撃てば必ず
 お前も撃たれる
 
 二人とも
 死ぬことになるぞ」

庵は、微笑する。     

「死んでもいいさ
 俺は、もう
 この世に未練は無い
   
 あっちで俺を待ってる奴
 なら大勢いる
   
 おまえを道連れに行くよ」

庵の言葉に、透馬は恐怖心で
いっぱいになり、柄にもなく
足が震えた。

その一部始終を見ていた
透馬の父で

伊納組初代組長、初馬が
手を叩きながら現れた。