「あんたなんか産まなきゃよかった。」


小さいころ母親に言われた一言。まだ7歳の私には意味が分からなかった。


でも意味が分からなくても何が言いたかったかは分かった。


私が7歳のころ、両親は離婚した。私の面倒を父親がみれくれなくて、


私のことでよく喧嘩していた。母は本当は離婚なんてしたくなかったのだろう。


だから私にそういったんだと思う。


それから私は児童保護施設に預けられ、中学卒業後、そこを出た。


そして今は1人暮らしをしている。中学生の頃は彼氏がいたけど、裏切られた。


友達にもね。だからもう誰も信じない。好きにならない。私を愛してくれる人なんて、


そう・・・もうこの世にはいないんだ。
これを聞いて周囲の人はなんて言うんだろうね。


かまってもらいたい。同情してほしい。


そんな事、思ってもいない。ただ私は1人で生きていくって決めたから。


人にどうこう言われる筋合いはない。


私、高畠(たかはた)にこ は、1人で生きていきます。
「あんたマタ学校来たのー?」


「もう来ないかと思ったあー。」


「こんな女、女じゃねえよな。」


「地味な女なんて、いまどきいないんじゃね?」


これが現実。私は多分クラスで浮いている。外見?外見は地味じゃない。


髪型とかも普通だし。周りの子が派手すぎるの。お金がなかったから、こんな


馬鹿学校に来るしかなかった。おかげで私は普通だけど、ここの学校では、


地味と評判だった。でも別にそんなのどうでもいい。かまってらんない。


友達もいないし、だから私が何かしたって、迷惑をかける人もいないし、


困る人もいない。所詮友達なんて、ただの友達。
仲のいいときは仲が良くて、


都合が悪くなれば、手のひらを返す。友達ってそういうもんでしょ?


友情ごっこなんて、あほらしくれ付き合ってらんない。


「たーかーはーたーぁ?」


「・・・。」


「あっれぇ、聞こえなかったぁ?」


いつもこんな感じでクラスの男女問わず私に何かしてくる。


「なに。」


「うっわ、なんかいきがっちゃってんの。超うぜー。」


「あんた等のほうがうざい。」


「あ?なんだとお前、調子こいてんじゃねえよ!!!」


いつもならここで、蹴飛ばされるか、殴られるかするのに、


今日はこなかった。ふと見上げると、


「男が女の子に手だしていいと思ってんの?」


「あ?誰だてめー。」


「俺?今日このクラスに転校してきた、安西とうやっす。」


「転校生がでしゃばってくんじゃねーよ。」


「はいはい。すいませんねー。」


そう言うと、その転校生は私を取り囲んでいた、男子たちを蹴散らかした。


「あんた大丈夫?ちょっとは抵抗しなよ。」


そう言って私に話しかけてきた、転校生。


「・・・ありがとうございました。」


私はそう言うと、教室をでていき、屋上に向かった。

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