幼なじみのお兄ちゃん。





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『いっちゃんねぇ、大きくなったら竜兄のお嫁さんになる!!』




『うん!!僕もお嫁さんはいっちゃんがいい♪』





『本当!?じゃあ約束して?』



『うん。なにを?』





『いっちゃんが、16歳の誕生日になったら......』





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ばっ!!



勢いよく起き上がる。


「はぁ〜また同じ所。」



私、東城 苺。(トウジョウ イチゴ)


毎朝 同じ夢の同じ所で目が覚める。


この夢は、私が小さい時に幼なじみのお兄ちゃんと交わした、

小さな

小さな_____約束。



でも....

続きが思い出せない(ー"ー))



私、なんて言ったんだっけ!?






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でも.....









思い出さなくていいや。





この思い出は綺麗なままとっておきたい。





もう交わすことなんて、出来ない約束なんだから。







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だって彼は、


国民的大スター。



“西本 竜也”(ニシモト リュウヤ)



もちろんイケメン。

歌も上手い。

ダンスも出来る。

演技もピカイチ。

おまけにスタイル抜群ときた。



文句のつけどころなし。


毎日忙しい彼は、私なんてただの“幼なじみの妹”にしか、思っていないだろう。





なぁんて思っているけど、
竜兄の事
諦めきれてない自分がいる。



好きな人、
出来るまででいいから。もうちょっと好きでいさせて....。






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☆〜☆〜☆〜☆〜☆。




いつも通りの朝。


いつも通り同じ夢を見て、


いつも通りに起き、


キャラメル色の髪を少し巻き、


少しだけ化粧をして、


朝ご飯を食べて、


いつも通り出発した。




私は高校1年生。


高校は歩いて15分の距離。


「おはよう♪」


途中で親友と合流する。



それもいつも通り。


だけど.....

なんか違う。


なんか忘れてるような...






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不思議な思いをしながら親友とおしゃべりしながら、登校した。




ガラッ!!


「おっはょ〜☆」


親友は、いつものテンションでクラスに入る。



「おはよ♪」


私も、いつも通り。



「おはよ!!
ねぇ昨日、テレビ見た?!」


「見た見た〜☆
竜様まぢかっこい〜♪」


「今度、ドラマやるってぇ!!」




竜様.....


あぁやっぱり竜兄は人気だな。

諦めた方が、いいのかな...。






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