「でもね…。」


一呼吸おいてからお姉ちゃんは言葉をつづける。


「あんた、お母さん達にどれだけ心配かけたかわかる?お父さんだってわざわざ帰って来たとよ。
あんたは辛い事あっても一人で抱えこんであたし達には何も言ってくれん。
あんたが自分から話してくれるまで待つよ。…けど、あたし達、家族なんだから。もっと感情ぶつけてきてよ。あんたの想い、あたしも、お父さんもお母さんも、全身で受け止めるけん。」




「お姉ちゃん…。」



あたしの目からはいつの間にか、涙が溢れていた。



「…心配かけて、ごめんなさい…。」



あたしには、こんなにもあたたかい家族がいるのに、素直になれない自分が腹立たしかった。



「ちゃんと、お父さんとお母さんにもそう言うとよ?」


あたしは頷いた。


明日、朝起きたら一番にお父さんとお母さんにごめんなさいって言おう。


「お姉ちゃん。…ありがとう。」


「…もう寝なよ。」


お姉ちゃんは電気を消すと、部屋を出ていった。



あたしもいつの間にか眠りに落ちていた。