…なかなか眠れない…。何度も何度も店長に頭を下げて謝っているお母さんの姿が頭から離れない…。


ふと枕元にある時計に目をやる。


11時半…。


コンコン…


部屋のドアをノックする音がする。


「奈緒、まだ起きてる?」


お姉ちゃんだった。


「起きてるよ。」


お姉ちゃんは部屋に入ってくると、電気をつけた。


あたしは体を起こす。


「何があったと?」

ベッドに腰掛けながらお姉ちゃんが言った。




「……別に。」


あたしは目をそらす。



「理由もなく、奈緒があんな事するとは思えんとやけどなぁ~…。」



「……………。」




「…言いたくないとやったら無理には聞かんよ。」