「奈緒~。大丈夫~? 何か怪我したって聞いて心配してたんだよ~。」


楓が言う。



…思ってもないくせに…。



「料理してて手怪我したって聞いたけどぉ~。」


言いながら真子があたしの左手を掴む。


「痛っ…!!」


あたしは思わず声をあげた。


絶対わざと掴んだんだ。


「あっ、痛かったと~?ごめんごめ~ん!」


わざとらしい言い方…。



「でもさぁ…。こんなとこ、普通料理してて切るかなぁ?
…もしかして、自分で切ったとか!?」


楓がそう言い、

「ありえん~!」


「きも~い。」


真子達が口々に言う。