次に目を覚ましたとき、あたしは病院のベッドの上だった。


「奈緒!よかった!!」


今にも泣き出しそうな顔をしたお母さんの姿が目に映った。


「お母さん…」




どうしてこんな所にいるのか理解するまでしばらく時間がかかった。





痛い……―。


左手がズキズキする。


そっか…。あたし、自分で…―。



「あんたがいつまでもお風呂から上がって来ないから、お姉ちゃんに様子見に行ってもらったら……―。
どうしてこんな事…。」


「………。」


お母さんにそう言われてあたしは黙った。




「まあいいたい!今は聞かなくても。」


病室のドアを開けてお姉ちゃんが入ってきて言った。