「…そっか…。奈緒きつかったやろ?」



竜也があたしの手首に残った傷跡に触れながら言った。




「俺、今まで何も奈緒の事知らんかったな…。この傷跡、どうしたんだろうっては思ってたけど、俺からは聞かんかったし…。」



「あたしね、今度から何でも話すようにする。今まで、あたし一人強がってただけだったから…。」


「そっか…。」


竜也は優しい笑みを浮かべて、あたしの頭を撫でた。


「でもな、どんな理由があろうと、今回お前がした事は最低なことばい。二度万引きなんてするなよ。」



「うん…。」