「膝…大丈夫か?」

「ひ、膝?ああ、朝に怪我した膝のこと??」


「それしかないだろ」と呆れ顔でそう言って、片桐くんはため息をつく。


「うん、もう大丈夫!片桐くんが素早く治療をしてくれたおかげだね!!」

「治療と言うか…ただの応急処置だよ。帰ったら、ちゃんと消毒しろよ」


そう言って、片桐くんは私の頭をポンッと叩く。


「…う、うん」


何でか分からないけれど、むしょうに恥ずかしくなってしまう。

私は顔を赤くして、顔を俯かせた。


「………」

「………橘」

「な、なに??」