バシバシッと、目に見えない早さでどんどん試合が進んでいく。


「片桐くん…」

「大丈夫だよ、きっと」


南条先輩の真っ直ぐな言葉に、私はうんと頷いた。

大丈夫。大丈夫。

きっと勝てる。いや、勝つ。

だから……


「頑張って片桐くんっ!!」


私は大声で、剣道場いっぱいに響き渡るようにそう言った。

そしたらフッと…一瞬だけ片桐くんが私を見たような気がした。

片桐くん…?


「―――あ…っ」


それは一瞬の出来事だ。

片桐くんが竹刀を振り上げ、高遠くんに一気に攻め込んだ。