「う…そ…っ」


何で…何で…今日は、片桐くんは大事な試合があったんじゃ…


「まだ試合は始まったばかりみたいだね。間に合って良かった」


南条先輩はそう言って、少し肌に滲んだ汗を袖でぬぐい取る。


「南条先輩、あの、ありがとうございました!!」

「いいよ別に。たいしたことしたわけじゃないし…美羽ちゃんのことだし??」

「え…?」


南条先輩の意味深な言葉に、私は少し首を傾ける。


「ああ、俺…美羽ちゃんのことが好きだったからさあ」

「はひいっ!!!?」


さすがの私も、このカミングアウトには驚きだ。変な声も出てしまう。