「な、南条先輩…大丈夫ですかっ!?」


私は先輩の背中から降りて、顔を伺うようにして下から覗く。


「俺なんか気にしなくていいからさ。ほら…」

「え―――…?」


南条先輩が指差した方を、私はパッと顔を上げて見つめた。

その瞬間、“バシンッ!!”という激しい音が鳴り響いた。


「…あ……っ」


誰かと誰かが、試合をしている。

まさか―――…


「片桐くんと…高遠くん?」


見間違えるはずはない。片桐くんと高遠くんだ。