「あ、ああああの…わ、私、重たいですよっ!?」

「なーに言ってるの。だてに今まで剣道部いないよ俺??」


そう言った南条先輩の言葉通り、先輩は軽々と私をおんぶする。

そのままタタタッと、廊下を駆け抜けていく。


「ふああっ!?」

「よし、全速力で行くからしっかり掴まっててねっ!!」

「は、はいい!!」


私は先輩の言ったとおり、ヒシッと南条先輩に抱き付いた。

みるみるうちに、周りの風景が変わっていく。


「あ―――…」


剣道場の扉が、見えた。


「―――っ!!」


南条先輩は走った勢いで、扉をバンッ!!と音を立ててあける。

今のは、絶対に痛いだろう。