「何で南条先輩が…試合のことを知ってるんですか?」

「まあ、風の噂ってやつだよ。そんな事よりも早く、さあ!!」


南条先輩は私の腕をつかみ、グイッと思い切り強く引っ張った。

だがその瞬間、朝あっためまいにまた襲われる。


「ひゃ…っ」

「あ、大丈夫!?」


体は倒れそうになったが、なんとか南条先輩が受け止めてくれる。


「あ、あの…さっきまで貧血で、保健室で寝てて…」

「そっか、ごめんね無理に引っ張って。でも時間も無いし……」


南条先輩は、「う〜ん」と考える表情を見せる。


「あ、そうだ!!」

「へ…?」


いきなり南条先輩は、私を背中に無理やり担ぎ上げた。

お、おんぶですか!!?