そんなことを呟きながら首を傾けるミサキさんを無視して、私は保健室から飛び出した。

後ろから「美羽ちゃん!?」というミサキさんの声が聞こえるが、そんなのは今の私にはほとんど聞こえない。

早く…早く行かなきゃ!!


「―――あ、美羽ちゃん!!」

「え?あ、南条先輩っ!!」


廊下を全速力で走っていると、反対側からも同じく走っている人影が見えた。

な、何で南条先輩??


「あの…っ」

「早く来て!試合が始まるまで、もう時間は無いんでしょっ!?」

「え……っ」


確かに時間は無い。

いつ試合が始まるかは聞いてはいないが、時間が無いと体全体で思ってしまう。

でも、それよりも…