「……ん…」


目を覚ますと、独特な薬品の匂いが異様に鼻についた。


「……ふぁ?」

「あ、起きたの美羽ちゃん?」


上体を起こすと、ミサキさんの姿がふと目に入った。

そしてミサキさんは、徐々に徐々に私に近付いてくる。


「寝不足での貧血だって保健室の先生は言っていたわ。今は少しは大丈夫?」

「あ、はい」


ミサキさんの言葉で、ようやくここが保健室だと言うことが分かる。


「あの、私…」