「……ひゃっ」 片桐くんの冷たい指先の感触が直に伝わってきて、おもわず声が出てしまう。 「まだ、つけてたのか」 「え?あ…」 片桐くんが指先で触っていたのは、あの…片桐くんからもらった指輪だった。 「まあ…その」 「……何で」 「え?」 「何で…まだこの指輪してるんだ?」と、片桐くんは悲しそうな顔で私に聞いてきた。 何で…何でそんな顔するの? 「……だって」