片桐くんは自分のポケットからハンカチを出し、それを軽く水で濡らした。

その濡らしたハンカチを、血がにじんでいる私の膝に軽く押し付けた。


「ん…っ!」

「あ、痛いか?」


ピクリと反応した私に、片桐くんは心配そうな表情で私の顔を覗いてくる。


「か、片桐くん…」

「……あ…っ」


片桐くんは突然目を見開いて、何故か声をあっと漏らした。


「??」

「これ…」


片桐くんはソッと、私の胸元に指を滑らせる。