片桐くんの体が私の体と少し密着していて、ドキドキが止まらなくなる。
だが片桐くんはそんな私を気にする様子もなく、ただただ私の膝を見つめている。
……膝?
「……あ…」
ビリッと痛みが走った部分に、ジワリと血が滲んでいる。
どうりで、痛いはずだ。
「あ、はは…大丈夫だから。別に気にしなくても…」
「来いよ」
「え、ちょ…っ」
気付いた時には、もう片桐くんから腕を引かれていた。
そしてそのまま、どんどん体を引っ張られていく。
「片桐…くん?」
「そこ、座れ」
「あ、はい」と言って、片桐くんの言ったとおりに水道の外側の縁に座った。