「……片桐くんは主将さんだから、絶対に出なきゃいけないんだよね」 私なんかのために、そんな大事な試合を捨てるとは思えない。 高遠くんの不戦勝…これで間違いないだろう。 「……もしかしたらなんて…思うだけ無駄だよね」 無駄だって分かってるんだけど…ね。 「ん…?」 ふと自然に、首もとに視線がいった。 「あ―――…」 片桐くんからもらった…指輪…。 「ネックレスにして、ずっと首にかけてたんだっけ?はずすの…忘れてたや」