「ハッキリと断られたなら、諦めなさい。でも、その気持ちは大事にしなさい」


「その気持ちは、とても大事なものだから…」と、お母様はそう言った。


「それ、私の知り合いの先輩も言ってました…」

「そう。なら、その子もきっと恋をしているのね」

「え、ええ!?」


お母様が言ったカミングアウトに、おもわず大声を出してしまう。

な、南条先輩が…恋?


「似合うような…似合わないような…」

「きっとその子も、今の美羽みたいに悩んで悩んで…諦めたんでしょう」

「これは、叶わない恋をした人が言う言葉だから」と、お母様は付け足した。