「あ、あう…あ…」
「ふふ、分かるのはあたり前でしょう?いちよあなたの母親なんだから」
お母様はフフッと笑いながら、私にさり気なくお茶を出してくれた。
「……私、何が何だか分からないんです」
「何が分からないの?」
「それも分からないんです。ただ…」
「縁談の相手…あなたと一緒の高校らしいわね?」
いきなり話しが変わったと思ったら、高遠くんの話題が出されて一気に冷や汗が出る。
「……嫌なら、別に断ってもいいのよ?」
「…断っても…簡単に諦めてくれるでしょうか?」
「諦めてくれないなら、断って断って断ればいいのよ」
「でも…っ」
「それでもダメなら、断って断って断って断って…」
「お、お母様…もう大丈夫ですから」
「あら、そう?」