お母様がヒョコヒョコと歩きながら、私に近付いてきた。 片手にホウキを持っていることから、門の前の掃除をしてたんだろうという事が分かる。 「お母様、只今帰りまし―――」 「美羽…何かあった?」 「え……?」 ジッとお母様から顔を覗かれて、ドキリと心臓が高鳴る。 さっきまでボロボロ泣いていたのだから、分かるのもあたり前だろう。 「えと、これは…」 「……美羽」