「明後日は、片桐先輩にとって…いや、我が校の剣道部にとっては大事な試合がありますからね」

「お前、それを知って…」

「別に来なくてもいい。だけどその時は、僕は不戦勝と言うことにさせてもらいますから」


高遠くんはニコリと満面の笑顔で、片桐くんにそう言った。

そんな…そんなのって…


「片桐先輩が得が無いと思うのなら、我が校を誇る伝統の交流試合の方に行って下さい」

「………」


片桐くんは何か考えるようにして、グッと唇を噛み締めながら顔を俯かせた。

そんなの、そんなの…っ


「……来なくていいよ、片桐くん」