高遠くんはニッコリとそう言って、私を優しい笑顔で見つめる。

忘れるなんて…そんな…


「む、無理だよ!できないよ!!」

「大丈夫ですよ。僕が勝った時は無理やり縁談を進めさせてもらいますし…」


「すぐに、片桐先輩のことなんて忘れさせてあげますよ」と、高遠くんは私の耳元で囁いた。


「いや……っ」

「高遠!!」


片桐くんの大声が、教室中に響いていく。


「……妬いてるんですか?片桐先輩??」

「違う、そうじゃない」


片桐くんはキッパリとそう言って、高遠くんを見つめた。


「もし、俺が勝った時は…?」