―――え…?


片桐くんが言った言葉の意味が分からなくて、また頭が混乱してしまう。

なん…て?


「え?え…??」

「良かったなって言ってるんだよ。剣道の名門家だなんて…そう縁談が来るようなもんじゃないだろ」


片桐くんは顔を伏せたまま、特に感情も込めずに淡々と言い放つ。

何で…何で?


「何で、そんなことを言うの…片桐くん?」

「橘…?」

「ダメだよ。イヤだよ。そんなこと…言わないでよ」


どんな返事が返ってきても、笑ってようって思ってたのに…


「ダメ…だっ…よぉ…」


そんな言葉…言われたら、もう私…我慢できないよ。


「もう私…笑えないよおっ!!」