南条先輩はゆっくりと立ち上がり、この場から立ち去っていく。

だが私と片桐くんが二人きりになったからと言って、この沈黙の現状が変わるわけがない。


「………」

「………」

「……あの、片桐くん」

「……俺、行くから」


「え?」と言って顔を上げた時には、片桐くんはもう私に背を向けていた。

そしてそのまま、教室から出て行こうとする。

え?あ…ま、待って―――!!


「片桐くんっ!!」

「うわっ!?」