「心菜?準備できたぞー」
「あ、うん」
私は陸に後ろに黙ってついて行った。
指輪なんて、私には何の関係もない。
気にはなるけど、私の踏み入れちゃいけない領域だから。
もし、陸と奈々さんが結婚するって言うなら喜んで祝福するから…
「着いたぞ~」
「うわぁ…海だ」
私は急いで助手席の扉を開けてキラキラ輝く浜辺に走った。
久しぶりに海に来た。
「やっぱり、まだ子供だな」
「ひっどーい!!陸の馬鹿」
子供だなんて言わないでよ。
──お前は子供だから恋愛対象外。
って言われているような感覚になる。
本気で凹むんですけど~…
「マジで、ごめんって!」
「もういいよ」
私はその場に座った。
陸も続いて私の横に座った。
恋人みたいな仕草がくすぐったい。
恋人みたいな仕草が恋しい。
この空気が、好き。