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━━━バチッ!!
その瞬間に意識が現実に戻って来た。
ボーッとする思考。
そして、気づく…
とても優雅で、幸せな夢を見ていたということに…───
私、寝ちゃってたんだ。
ハッと私は唇を手で触れてみる。
不思議な感覚に襲われた。
夢で起きたことなのに、現実に戻った今でも優しいキスの感覚があった。
温もりに包まれたような……
なんでだろ?
「やっと、目覚ましたか…」
その声にハッとした。
不覚にも、陸の存在を忘れてしまっていたのだから…
「私、寝ちゃってたんだね…ごめん」
「別にいいよ。朝早かったし…それに……心菜の間抜けな寝顔も見れたしな!」
間抜けな寝顔!!!
私の顔が、どんどん熱を帯びていくのがわかった。
恥ずかしー…
さいあくだぁー…
陸は満足そうな笑顔で私を見てくるし…
本当にダメだな。
私は色気というものを知らないから。