職員室から出た木崎はふと窓から射す太陽を見た。

雲一つ無い晴天でちょっと暑いくらいだ、こんなに晴れたのは久しぶりで物珍しかった。

「おぅい、啓ー。」

その声に振り向くと遠くから中学校時代の先輩、矢口隆夫が歩いてきた。
坊主にラインの剃り込み、髭を生やして鼻にはピアスをつけている。
今ではこの学校の番長に値しているらしい。

「矢口さん、久しぶりっす」

出来る限り関わりたくは無いが無視するわけにもいかず木崎も話す。

「停学くらってたんだって?一体何したんだよ?」

太い声で矢口は笑いながら喋った。

「原付パクったのがバレちゃって…」

恥ずかしそうに頭をかきながら矢口にあわせてぎこちなく笑う。

「だっせーな、ああそうそう、お前5時から暇?」

急に思いついたかのように予定を聞いてきた、と言っても断れないように軽く睨んでいるが。