「リカ~!何時まで寝とっと、沙織ちゃんから電話ばい」
久しぶりに帰った我が家の、懐かしい木の香りに包まれて爆睡モードの私に覚醒の激を飛ばすのは、私の母さんである。
私が生まれ育った町…
白い砂浜に何処までも続く海は、私が帰りたい最後の場所。
何も言わず待っていてくれるけど、私の心を見抜くように穏やかだったり白波を立てたりと…
「後でかけ直すって言って!」とまだ夢心地の頭の中を整理しながら、一階の母さんに叫ぶ。
クラブ特待生の責任を終え、久しぶりに実家のベッドで疲れを癒した高校三年生「山本莉華17才」
周りの女の子みたいにお洒落もできず、髪だって男の子みたいに短い。
そんな私に突然起こった忘れられない夏。
たくさんの仲間との出会いと、ずっと気が付かなかった想いを「Honesty」正直に伝えたい。