陸が息を切らしながら走ってきた。

「あっ!兄貴、愛知らねえか?音楽室にいないんだ…」

「え!!!そうなの!?」

「おう!って…兄貴なんか嘘ついてない?」

「…え!?ななんで?」



やばいょ-!

空さん頑張って!

でも…少しだけ陸に見つけてほしいかも…!

やっぱりひいきしちゃう…。

「…だって兄貴嘘つくとき絶対小指触る癖あるじゃん!」

あ!!!!

空さんめちゃめちゃ小指触ってる!

空さんも自分の癖なんか

興味もないからもちろん知らない。

「あ!!!!………そんなことないよ?」



いやいや空さん。

めっちゃ「あ!!!!」って言ってたし。



「愛ちゃん!逃げて」

と言う佐久間さんに

わたしは従おうとして

一歩…二歩…としのびあしで

わたしは順調に歩いていたとき…

事件は起こった。