「違うの…本当にごめんね」


柚葉は僕と目を合わさずに
そう言った


「最後に1つ聞いていい?」


「…うん。なに?」


「お腹の子は…本当に
りょうの子なのか?」


柚葉の肩が一瞬ピクッと
跳ね上がった


「りょうから聞いたの?」

「あぁ」

柚葉はしばらくして
やっと口を開いた

「そう。りょうの子」


あぁ…胸が痛い

聞きたくなかったけど
柚葉の口から聞けて
よかったのかも知れない

僕が黙っていると
柚葉がまた口を開いた


「ふふっ嫌いになったでしょ?
こんな女だって知って」




俯いたまま笑った柚葉の
目には確かに

涙がたまっていた…――――