「長谷川くん大丈夫なの!?」
チエは杖をつきながら
まだ歩きなれない
足どりで僕にかけ寄る
「大丈夫、すぐここ
出れんだろ?」
僕は渚に視線を移した
「一応、夕方まで点滴して
帰れるみたいだけど…」
今すぐ帰っても
大丈夫な気がする
「長谷川くんさ…柚葉と
別れた?」
「あぁ…ふられた」
心のどこかで柚葉が
会いに来てくれるんじゃ
ないかなって思ってた
「柚葉もね、長谷川くんと
同じ日から学校来なくて…」
柚葉も…?
それってまだ希望は
あるってこと?
柚葉はまだ僕を
思ってくれてるの?
ほんの少し
光が見えた気がした