………………。
ユウヤ…。


「だからね?もう巧くん
とは遊べないんだ」


柚葉は何を言ってるの?
もう遊べない?
なんで……。


「柚葉ちゃ…」


…あれ?
俯いた顔をあげると
柚葉がいなかった


「柚葉ちゃん?」


冷たい風が僕を馬鹿に
するように吹きつける


「柚葉ちゃんどこに
行ったの!?」


柚葉の声はしない
風の音だけが僕の耳に届く


「柚葉ちゃん…」


僕は1人しゃがみ込み
泣いた


泣いても泣いても
誰の声もしなくて
僕の声と風の音だけが
響きわたった…────



そこで夢は終わったのだが
僕は起きてからも
夢を忘れられなかった


本当に柚葉が消えちゃう
んじゃないかって不安だった



「ねぇ巧くん」


夢と同じ柚葉の言葉…
僕は不安を必死に隠して聞く


「なに?柚葉ちゃん」


「柚葉ね……」


駄目だ2度も同じこと
聞きたくない!!


僕は同じくらいの背丈の
柚葉を抱きしめた


柚葉の言葉をさえぎる
ように、言わせないように…


「僕…柚葉ちゃんが好き
だよ…離れたくないよ…」


柚葉は驚いたのか
一瞬肩を震わせた


「私も…巧くんと離れ
たくない…」


柚葉の言葉にほっと
する僕。
これで柚葉と離れないで
済む。そう思った…


「巧くん…聞いて?」