『やっぱ何でもねぇ、またな』

そう言って僕は
一方的に電話を切った







翌日学校に行くと
杖をついて歩くチエの
姿があった


それと同時に見えた
柚葉とりょうの姿…


僕に気づいた柚葉は
りょうに何かを言って
僕の所に走ってきた


「巧くんおはよー」


「おはよ」


ちゃんと笑えてるかな…


柚葉はチエにも気づいた
らしく今度はチエに
かけ寄って行った


その隙に僕はりょうに
話しかける


「ちょっと来いよ」




誰もいない屋上に
りょうを呼ぶと僕は
はっきり言った


「昨日柚葉といた?」


「あぁいたよ」


表情を1つも変えない
りょうに腹がたった


「俺と柚葉が付き合って
んの知ってる?」


「知ってる。
けど取り戻すから」


りょうは余裕と言うように
フッと笑った


りょうとは逆に
不安になる僕


何でそんな余裕な顔
してんだよ…


僕は何も言い返せなかった