離れてしまうのが
分かったのは春。
その日は柚葉が遊んで
くれなかったんだ
僕は1人公園へ行った
桜の花びらでピンク色に
染まった芝生を1人で
歩くのはとても寂しかった
1人で乗るブランコ
風の音しかしてこないベンチ
隣に誰もいない鉄棒
全く楽しくなかった
その日僕は夢を見たんだ…
「ねぇ巧くん」
いつもの無邪気な柚葉が
僕に微笑む
「なに、柚葉ちゃん?」
「柚葉ね好きな子できたの!!」
照れたように顔をピンク色
に染める柚葉。
「…え…誰?」
僕の心は一瞬にして
雲っていく
「ユウヤくんが好きなんだぁ」