病院に入ってすぐの
長イスに柚葉が座っていた


「…柚葉?」


息を整えて呟くと
柚葉が振り返った


「巧くん大丈夫!?
ごめんね…ごめんね…」


「柚葉こそ大丈夫か!?
怪我は?」


「怪我したのは
私じゃないよ…」


柚葉がまた涙を流した


…怪我したのが柚葉じゃない?じゃあ誰が…


「チエが…」


柚葉の消えそうな声が
耳に届いた


「チエって…委員長?」


僕の問いかけに柚葉は
コクンと頷いた