目を開けると
また保健室にいた


起き上がると頭を
金づちで叩かれたような
痛みが響いた


「長谷川くん
まだ起きちゃだめ!!」


保健室の先生が僕に
気づいてかけよってきた


「…先生、柚葉は?」


何となく嫌な予感が
したんだ


ここに柚葉がいないこと。

それに…先生の表情が
曇ったことに。


「柚葉は…?」


俺をかばって階段から
落ちたなんてことないよな?


大丈夫だよな…?


「小南さん…今病院よ」


僕の頭の中は真っ黒になった


「どこの病院!?」


「上加町病院よ」


上加町病院なら走れば
15分で行ける


僕はベットから
起き上がり


病院めがけて走りだした


「長谷川くん!!
まだ動いちゃだめよ!!」


止める先生をすり抜けて
ただ走った


頭の痛みなんて忘れるほど
柚葉が心配で会いたかった