今から10年前僕達は5歳。
いつも2人一緒にいて
家族や近所の人には
呆れられる程だった
「柚葉ちゃん!!一緒に
遊ぼう!」
「巧くん待ってぇ!!」
髪の毛を耳の上で2つ
結びにした柚葉が僕を
追う。
「はい柚葉ちゃんあげる!」
僕は近所の家に植えて
あった花を引っこ抜いた。
「ありがとう巧く…」
「こらーっ!!!」
振り返ると母が顔を
真っ赤にして怒っていた。
例えると鬼…みたいな。
「やばい柚葉ちゃん
行こう!!」
僕は柚葉の手を握って走る
母の声が聞こえなくなったら
立ち止まって2人で笑うんだ
僕には毎日が楽しくて
仕方なかった。
こんな楽しい日々が
ずっと続くと思ってた…──