「…ごめん」
僕は委員長の手を
ふりはらって柚葉を追った
委員長へ罪悪感は
残るけど僕は柚葉を
追わなきゃ行けないんだ
階段をかけあがる柚葉の
腕を掴むと柚葉は
しゃがみこんで顔を伏せた
「……で?…るの…」
「え?」
「何で他の子とキス
なんてするの…?」
柚葉の声は震えていた
「ごめんな…でも俺が
好きなのは柚葉だから」
教室移動してる奴らの
視線を痛いほど感じた
僕は柚葉を安心させるため
強く抱きしめる
「触らないで!!」
抱きしめる僕を柚葉は
突き放した
柚葉に突き放された
衝撃で階段に足元をとられた
──っ落ちる!!
「巧くん!!」
──柚葉…泣かせてごめんな…
僕の視界はだんだんと
暗くなっていった