人の話を聞いているのが
苦手な僕は窓から外を
眺めていた。


しばらくしてガタガタと席を
動く音が聞こえクラスメイト
が再び動きだした。
僕は慌てて隣の子の肩を
掴んだ。


「なぁ!!」


ちょうど席を立とうと
してた隣の子は驚きつつ
視線を僕に運ぶ。


白く綺麗な肌に
吸い込まれてしまいそうな瞳。またさっきと同じ甘い
香りがした。
思わず僕は見とれてしまう。


「なぁに?」


その子は不思議そうに
首を傾げた。


「あ、あのさ隣同士
よろしく。名前教えて
くれない?」


少し噛みつつ僕は
必死に言った。
僕の言葉を聞いたその子は
あぁ。と言う顔をして
ニコッと笑った。


「私は小南柚葉!
よろしくね。」







……………え?
柚葉?
柚葉って俺の知ってる
あの柚葉か…?


僕の中で何かが渦巻いた


もう1度柚葉の顔を見る。
左目の下のホクロ…
やっぱり柚葉だ…。


「…どうしたの?」


柚葉が顔を傾げて
僕の顔を覗きこむ。


「柚…葉?本当に…?」


僕はなかなか現実を
受け止められなかった