「お前…何か言った?」
「何かってなに?」
原因はこいつしかいないと
思ったが長い足を組み
堂々とした態度で
瀬戸はとぼけた
「何で俺避けられてんの?」
「さあねー」
それだけ言って瀬戸は
席を立ち教室を出て行った
授業の合間の休憩中も
弁当を食べる時も
昼休みも皆僕を避けた
ただ1人僕に話しかけて
くれたのはハジメ
「なぁなぁ放課後ひま!?」
あんな嫌な態度を
とった僕に何も無かったような態度をとれるハジメを
羨ましく思った
僕にはきっとハジメ
みたいなことはできない
「今日は無理…」
小さな声でそう答えたが
本当は何の予定もなかった
ただこんな僕に
笑顔を向けてくれる
ハジメを見ているのが辛かった