柚葉と離れて10年が経つ


僕は今年高校生になる
着なれない制服は何か
照れるけど新鮮だ


初めて通る通学路も
ワクワクで僕は朝から
浮かれていた。


入学式以来初めての登校。
慣れないバスに乗り込むと
僕と同じ制服を着た何人かが
振り返る。


まず、友達作らないとな…。
そう思ったがチキンな
僕は人を避けるようにして
吊り革に捕まった。


「なぁなぁ。」


誰かが僕の肩を突いた。
一瞬肩が跳ね上がって
しまったが何もないように
笑顔で振り向く。


「なに?」


振り向くと僕と同じ身長
くらいだが…僕より断然
カッコイイ奴がいた。


「同じ高校生だよな?
よかったらよろしくな!」


大人びた声でそいつは言った。くそぅ…カッコイイ…。


「あぁ、よろしくな。」


僕はひがみを振り払い
また笑顔で返す。


「名前何て言うん?」


「あ、俺は巧。そっちは?」


「俺はハジメ!ハジメって
呼べよな。」


ハジメ。こいつが僕の
高校初めての達になった。


ハジメと僕は学校に着く
まで世間話をしていた。
初めて話すのに初めてじゃないくらい話やすくて何か
落ち着いた。


学校へ着いてからも
偶然クラスが同じだった
らしく僕はほっとした。