やっと誤解が解けて、安心してジョウとバイバイした。


ソファに座って、携帯をテーブルに携帯を置いた。



「日芽、まだあの人と付き合ってるの?」



お母さんが、自分の分のお茶をテーブルに置いて言った。


眉間に皺を寄せながら、私を見てる。



「お母さん、私はね…」



―ヴー…ヴー…



私の言葉を遮る様に、携帯が鳴った。


渋々開いてみると、お母さんは台所へ行ってしまった。



【矢野仁】



「もしもし?」


『日芽ちゃん!仁だけど、美緒が怒ってて携帯の電源切ってるんだけど…何か知らない?』


「…え?知らないなぁ。今日バイバイした時は普通だったよ」


『俺、委員会終わるの待ってたじゃん?でも、美緒居ねぇの』


「…ホント?じゃあ、私が美緒に電話してみるよ」


『…まじ!?嬉しいけど、美緒怒ったらこえーから、気ぃ付けて』


「ありがとー」



美緒が機嫌悪いなんて、珍しい。


委員会で、何かあったのかな?



―プルルルル…



【お掛けになった電話は、電波の届かない場所にあるか…】



「出ないし…」



携帯を閉じると、テーブルに置いてあったみかんの皮を剥いた。


そして、暫くテレビを見ているとお父さんが帰って来た。



「ただいま」


「え?もうそんな時間?」


「あぁ」



携帯を見ても、掛け返して来てないしメールもない。


どうしたんだろ…。