「やっと終わったね」
長い長い校長の話に、何度足が痺れたことか…。
今は解放感でいっぱいだよ。
教室に戻ると、あの窓際の席に座った。
反対側には、ジョウが私に背を向けて誰かと話してる。
「隣は仁君かな?」
「うわ!!ビックリした……」
背後からの声は、当然美緒なわけで。
私もジョウみたいに、背を向けて美緒と向かい合った。
「もう直ぐ2年生だね。同じクラスになれると良いなぁ」
「美緒、それは仁君とですか?」
口に手を当てて、美緒に笑ってみる。
美緒はムッとした顔になって、頭を叩いて来た。
「日芽と!そりゃ、仁君ともなりたいけど…一番はやっぱり、日芽だよ」
「…ありがと、美緒!!」
ホントのホントに嬉しくて、思い切り美緒に抱き付いた。
私、美緒と友達になれてホントに良かった。
「日芽、恥ずかしいよ!」
「だいすきだー!!!」
―アハハハハ!
私達のやりとりを見たクラスメート達が、一斉に笑い出した。
「橋下、顔こえー!」
「必死すぎだよぉ」
「コントみたい!」
次々と色んな言葉が飛び交う。
私は物凄く恥ずかしくなって、誤魔化しで笑ってみた。